くぼさんのとうふ

くぼさんのコラム

第1回 〜私がこだわり豆腐作りを始めたきっかけ〜
第2回 〜ナカセンナリ大豆に惚れ込んで〜
第3回 〜漬物と付物〜
第4回 〜お茶事情〜
第5回 〜磯焼けを海中林に〜
第6回 〜食用油について〜
第7回 〜劣化競争〜
第8回 〜安全と安心〜
第9回 〜里山と里海〜
第10回 〜山地牛乳〜
第11回 〜良い食品博覧会〜
第12回 〜食育〜
第13回 〜民芸〜
第14回 〜玉子とうふに一考〜
第15回 〜碁石茶〜
第16回 〜讃岐うどん今昔〜
第17回 〜チョコレート〜
第18回 〜梅干し〜




第15回 〜碁石茶〜

代々碁石茶を受け継いでこられた六代目小笠原章富さん宅を7月25日に良い食品づくりの会中四国会員と一緒に訪問見学しました。

小笠原さんの自宅兼工場からの眺めは絶景でした。
真正面には標高1400mの梶ケ森があり、下には吉野川が流れ、朝夕の温度差もありお茶栽培にはもってこいの場所です。

小笠原さんの説明を聞くにつれて同じ後発酵茶でも富山の黒茶、阿波番茶、プアール茶などよりも2段階発酵というとても手間をかけた独特のお茶だとわかりました。

私は先代正春氏からのお付き合いですが、五代目正春氏が亡くなった時にこの碁石茶は一時途絶えかけ、章富氏が後を受け継いでくれたことで復活し、幻のお茶にならなくてすみました。
碁石茶は、よく幻のお茶というフレーズで呼ばれますが、この頃のことをいっているのでしょう。

章富氏は継ぐだけでなく、一軒だけでは心許ないと近隣の農家に茶製造に必要な微生物であるカビを分け与えて作り方を教えました。

現在では7軒ほどの農家が参加して新しく加工品も増えており、大豊町の産品として柱の一つになっているようですが、その反面、肝心の碁石茶の売価が高くなりすぎて売れなくなっています。(50gが2,900円ぐらい)

私が不思議に思うのは50gで2,900円という高額なお茶の栽培から加工まで手がける汗をかいた農家の方が潤わずにいる実態を見ると、どうしてこうなったのかと問いたい。

このままでは貴重な食文化でもある碁石茶を作る人たちが、いずれいなくなり、碁石茶が本当に幻になると思いますが、いかがでしょうか?